2020年3月6日徳島新聞に掲載されました。

DNAの採取能力向上

アクティス、新型キット開発  /  厳格な衛生検査に対応

ベンチャー企業のアクティス(松茂町)が、微生物のDNA解析に使うサンプル採取キットを開発した。検査対象を拭き取る繊維に粘着剤を塗布するなどして付着力を高め、従来製品より微量の微生物やDNAの採取を可能にした。厳しい衛生検査求められる食品工場や再生医療現場などの需要を見込んでおり、4月の販売開始を目指す。キットの拭き取り部は微生物やDNAを採取しやすいよう扁平にし、先端に超微細の化学繊維の布・マイクロファイバーを装着。網の目状の繊維の表面に粘着剤を特殊な方法でコーティングし、付着力を高めた。

採取後に採取後にマイクロファイバーをはがして容器内に保存できるようにした。従来製品は拭き取り部を水溶液に漬けていたが、「繊維に付着した微生物の歩留まりがよくなり、検査精度も向上する」(同社)という。

既に特許を取得しており、販売は、提携している光通信部品製造会社「NTT-ATクリエイティブ」(松茂町)が行う。

後藤仁社長は「微量のDNAの採取が可能になることで、食品工場をはじめ、細胞に病原体が混入しないよう求められる再生医療現場、ウイルスや有害生物の検疫を行う空港、港などさまざまな需要に対応しやすくなる」と話している。(河野大樹)